７月２１日

オレがもらったのは　甘い甘い最高のプレゼント

ＳＷＥＥＴ　ＧＲＥＥＤ

「ハッピーバースディ。」


ドアを開けて、お馴染みの眩しい笑顔があったのはついさっきのこと



こんな暑い季節だからと先輩がお手製のアイスケーキを片手に

オレのために（ここ重要）わざわざワカバまで駆けつけてくれた




先輩が来てくれるわケーキは美味しいわで

１日にこんなイイ事が何回もあっていいものかと

幸せすぎて悪い事が起こりやしないかと




否、悪い事はもう体験済みか




午前中にイエロー先輩からクッキーが（七味、からし、タバスコ…etcの香辛料入り）

グリーン先輩からバースデイカードが（メッセージ内容：『棺桶に一歩前進おめでとう』）送りつけられていた

今思えばレッド先輩が来ることはここから予想できたのかもしれない




とにかく、今のオレは幸せすぎて絶好調ってことなんですヨ

これ以上何かを求めるのは欲張りってもんだ




…そう、オレは欲張りなのです




年に１度の誕生日に先輩を独り占めできて

心のこもった素晴らしきプレゼントまでいただけて



けど何かが足りない




幸せに慣れすぎると欲張りになるとは本当だったんだと今更痛感した

…いや、だからって不幸になる気はさらさらないですけどね





「こーら、ゴールド！」


「あだっ！！」


痛いですヨ先輩

おでこにデコピンクリーンヒットは反則ですって


「ケーキ食べてんのになんでそんな仏頂面なんだよ。」


「え…っと…イヤ、これはですねぇ…」


あまりにもとっさのことだったから答えに詰まってしまった

考え事しながら笑顔でいられるほどオレは器用じゃない


「…そーか、そーゆー事か。」


「ハイ？」


「オレが心をこめてつくったケーキはそんなに不味いと。」


「へっ！？？」


「うん。お前の気持ちはよーく分かったよ。別に無理に食べなくてもいーから…」


「だー！！違いますって…ってケーキ片付けないで下さーい！！！」


ケーキを皿ごと片付けようとする先輩をオレは必死で止めた

イヤ、冗談抜きでホントソレ美味いんスから…


「センパイまじタンマ〜…」


「あははは、冗談だよ。そんな必死になんなって。」


そう言って先輩はオレの頭をくしゃくしゃと撫でた

…この人、たまにオレの事分かってて遊んでる気がする


「せーんぱぁーい…」


「ごーめーん！…って元はと言えばつまんなそーな顔で食べてたお前が悪いんだからな。」


「はは…そーなんですけどねぇ…」


「まー仏頂面の理由もなんとなく分かるんだけどな。」






…ハイ？






ちょっとまて



オレがそんな顔してたのは無意識のうちに

先輩に対して何か物足りないと考えたからで…



それがバレた？






「って…レッド先輩！！これはその…」


「そーいえばサ、今日お前んち母さんいないんだ？」




アレ？




予想に反して全然関係ない質問されたような…

仏頂面の理由が分かったってのは実はウソなんじゃないか

オレはそう思いはじめた



「あ…ハイ。明日まで戻らないみたいっスけど…それが何か？」


「…ってことは…」








「今日お前んち泊まってっても大丈夫ってことだよな？」


「へ？」







センパイイマナンテイイマシタヨ？







先輩はすっかりフリーズしてしまっているオレにいたずらっぽい笑顔を向ける（しかも最高にカワイイ）



「お前がこれ位じゃ満足しない欲張りだってのは知ってるしな。オレからの第２のプレゼント。」



上目遣いでそのセリフでございますか先輩







超　反　則






「せーんぱぁーいＶｖ」


「…っ！？こらゴールド！」


あまりの嬉しさ故にオレは先輩に飛びつき押し倒していた

今日１つ年取ったけど、嬉しいの隠してクールに出来る程成長しきってないんですよセンパイ



「こーら離せ！まだ早いってば！！」


「細かい事気にしないで〜♪」


「まだケーキ全部食べてないだろ！」


「大丈夫です。先輩を残さず食べますから。」





そして

オレはその日２度目のデコピンクリーンヒットをくらって昇天した






毎年こんな誕生日なら年とるのも悪くないな

そう、思った










終

激甘ゴーレいっちょあがり〜。自分でかいといてなんだけど砂吐きそうだわ。
でもうちのゴーはただでさえむくわれないからね。誕生日位いい思いしても悪くはないさ。
しっかしよかったなゴー。最近ゴーレ愛好者が増えてきてるらしいゾ（笑）

フリーなんで持ちかえりたい方はご自由に。

今回はブラウザバックプリーズ