本当に怖かった物





じわじわと 痺れがオレをむしばんでいく

最初は両手首足首

次は手のひら 足全体

痺れ自体も日に日に強さをましていく






ズキズキと痛い訳じゃなくて

ヒリヒリとしみるわけでもなくて







ただ








思うように体が動かなくて

感覚そのものが丸ごとなくなった感じ







カップを掴めば尾として割るし

あったかいものに触れてもまるであたたかみが感じられない







そして今も




雨が降っているのに 痺れている部分だけ

冷たさを感じない



顔に雨がかかる感じとか体が冷たいのは

いつも通りなのに







オレは 空に向かって手のひらを伸ばしてみた

確かに手に雨はかかっているのに






オレの手は全然冷たくなかった







もう 解からない





冷たいのか 暖かいのかも




解からない 感じられない











「・・・傘もささないで何突っ立ってんだ」



「グリーン・・・」



「こんな雨の中、いくらお前が馬鹿でも風邪ひくだろ」




そう言ったグリーンの手には 自分がさしているモノとは別に

もう1本傘があった






「わざわざ来てくれたんだ?」



「ただ通りかかっただけだ。勘違いするな」





下手なウソも 不器用な優しさも

今のオレには暖かくて仕方ないのだけれど





「ねぇ、グリーン」









「オレのこの手足は治るのかな?」



「・・・今は・・・何とも言えない・・・」



「だろーな」





答えなんて 解かり切ってたけど










「怖いのか?」



「何が?」



「手足が治らなかったら、という事を考えるのはやはり怖いものなのか?」



「怖くないって言ったらウソになるだろ」



「そうだな・・・」









「それにもしそのままだったら、お前の夢もあきらめなければいけない」





そうだ




このままだったらジムリーダーはおろか

トレーナーでいられるかさえ解からない








「グリーン」






「このまま手足が治らないのも、ジムリーダーあきらめるのも
 トレーナーやめるのも 全部怖いよ」



だってそれは

体の自由・夢・生きがい

全部失う事になるから



けど



「だけど、もっと怖い事もあるんだ」




手は未だ痺れたまま

また 痺れてる時間が長くなった気がする





「レッド・・・」




オレは 右手でそっと

グリーンの頬を触った



もちろん 何も感じない





左手も同じようにしてみる



それでも 何も感じない





「おかしいよな・・・こんなの・・・」





絶対にこんなのおかしい



だって

グリーンのぬくもりは 

とても暖かい感じがした



今のおれには

それすら解からない









「オレは・・・」











―――――おかしいままでいるのが一番怖いんだ―――――












カミサマ






どうか







オレの手から 彼のぬくもりを奪わないで下さい












暗すぎ(沈)なにが悲しくてこーなっちゃったんだか。
きっとアタシの日ごろの行いが悪いせいだな(え)
・・・明日から正しく生きます・・・まず人として・・・(末期)


戻る

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送